王様に聞く 王様の作り方(6)

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「『王様』の格好で、番組に出てみないか」
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――ここで、『王様』の独自の音楽スタイルが確立されたわけですね。では、『王様』というキャラクターはいつ完成されたのですか。
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それは三十一歳の時。僕の友達にSONYのプロダクションで働いている奴がいたんだ。
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ある日、そいつから連絡があって、「今度、ガールズ・ロックバンドのライヴツアー・サポート・ギタリストをやってくれないか? 」という誘いが来たんだ。そしてそれから、そのバンドのサイドギターとして、色々なところでライブをしていたんだ。そのときに楽屋で一緒に回っていたバンドの女の子から「吉田戦車って知ってる? 漫画家やねんけど、その漫画に出てくる『王様』に似てきたんちゃう? 」って言われたんだ。
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それからかな……『王様』と呼ばれるようになったのは。ライブでも本名だとつまらないから、サイドギターの『王様』と紹介されるようになったし。あとは一人の活動として、弾き語りでブルースを歌うようになったんだ。
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この時、僕は三つの顔を持っていたんだ。ライブツアーの助っ人ギターリスト、自分一人の日本語直訳ブルース・ロック、そしてハガキの宛名書き職人(笑)。
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あと『王様新聞』というのも、この時に始めたんだ。最初は学級新聞みたいな物だったんだけどね。僕の周りで起きた小さな出来事をあたかも物凄く大きな事件があったかのように書いていくわけ。
例えば『黒い生命体が空を飛ぶ! これは宇宙からの使者なのか? 』みたいなね。ただ台所にゴキブリがいただけなんだけど(笑)。
あとは官能小説も書いたな。ほんと五十字程度の官能小説。ただ内容までは明かせないけどね。そして出来上がった『王様新聞』Bはコピーして音楽仲間に配っていったんだ。
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そんな活動をしていたら、ある時、サラリーマン時代からの知り合いだったサンプラザ中野さんが『王様新聞』を読んで、これは面白いと思ったらしいんだ。そして、テレビ東京で始まる新番組にアシスタントとして『王様』の格好で出てみないかと誘われたんだ。
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それから半年~一年くらいその番組に出て、初めて大衆に『王様』の存在をお披露目することになったんだ。
しかも、今は一応『王様』の衣装は特注品みたいになっているんだけど、当時は東急ハンズの『王様』セットを買って、それを着てテレビに出ていたんだ。あと髭も、最初は本当の地毛で出る予定だったんだけど、撮影前日くらいに、親戚の葬式に出なくちゃいけないことになったんだ。さすがに小汚い髭を生やしたまま親族には会えないと思って、髭を剃っちゃったんだよね。
そうしたら撮影当日に、ADの方から「髭はどうしたんですか? 」って聞かれたから、「剃りました」と答えたら、「じゃあ、メイクアップ担当のスタッフと相談して、髭を書いてきて下さい」と言われて、トランプのキングを参考にしながら、アイラインペンシルというやつで、髭を書いたんだよね(笑)
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もし葬式が無かったらまた違った形の『王様』というキャラクターが出来ていたかもしれないね。
 

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