安西水丸 インタビュー(5)
――今、企画をいただいていて本当の日芸力をいうのを探っているんですが、安西さんが考える日芸力とは何でしょう?
安西 日大芸術学部の卒業生にはご存知の通り有名な人がたくさんいて、朝日新聞の人名事典を見ると三分の一は日芸だとよく言われるんですね。イラストレーターで言うと昔は多摩美術大学が圧倒的に多かったんですが、日芸デザイン学科出身も今は結構多いんですよ。僕は既にその中で長老みたいになってますけど(笑)。そういう意味では面白い学生がたくさん出てきてるんですよ。中途半端な学生が多い中で、きちんと信念を持ってやってきた学生は世に出てきますね。
――確かに日芸に入ってくる学生は感性のいい方がたくさんいますね。
安西 そうですかね。まあ、大学は勉強するところだから、やっぱり先生というものは大事ですよ。一言でも印象に残ることを言ってくれれば、それでその学生は進んでいけるわけじゃないですか。そういうものを僕は日芸でほとんど感じなかったですね。何ていうか、僕が先生に失望していたこともありますがね。一人だけ、建築のパースを描いた時、君はイラストレーションをやったら成功するぞって言ってくれた先生がいましたが。
――大きな一言ですね。
安西 そうですね。何となく言ったんでしょうね(笑)。まあ、いずれにしても、一流のものに出会うことはとても大事ですよね。僕は子供の頃、南房総の千倉で過ごしていたことがあるんですが、何もないところでしたけど、海だけは一流でしたね。その海は僕にとって大切なものになっています。
――海は一流、いいですね。
それでは最後に日芸の後輩に一言、お願いいたします。
安西 いろいろ厳しいことを言ってきましたけど、まあ、芸術学部は嫌じゃなかったんでしょうね。四年間真面目に過ごしたんですから。とにかく大学は勉強するところだということを認識していただきたいですね。
――ありがとうございました。
- 2006年09月30日
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