編集者 津野海太郎 インタビュー(5)
牛田: 出版という仕事でアジアと協力していくと著作権の問題が大変だと思います。先生の本は、無料で読める電子版になっているものがありますが、著作権の問題を考えた場合、お金を払わなければ見せない、というような人たちもいると思うんですが。
津野:もちろん、全部の本というわけじゃないよ。絶版になったものとか、選んでね。じゃないと、アーティストはみんな食い上げだよ(笑)著作権っていうのは、50年で切れちゃうものだから。むろん、僕らは本を商品として作るわけだけど、本当に単純に商品だけか、というと、そうじゃない。図書館に行けば、無料で目を通せる。つまり、本のなかには、有料の商品としての部分と、無料の文化資産としての部分がある。今は、その折り合いが両極端に走って、難しくなってしまった。
牛田: 中国や韓国では、海賊版が多いですよね。
津野:日本だって、戦後は海賊版が出回っていたんだよ。それが、豊かになってきたとき、パッと切り替わるのは難しい。広い中国なんて、日本みたいに中央集権で一発の国じゃないから。そこにまた、デジタル化の問題が絡んできて。だから、インターネット上の資料は、すでに共有財産なの。そこで、独自性を主張することの方がナンセンスになりつつある。インターネット上では、もともと商取引しちゃいけなかったからね。主に、理工系の学者たちの、論文発表やコミュニケーションの場だった。そこに、お金が絡みはじめた。wikipedia的なものが基本なんです。
- 2006年05月22日
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