編集者 津野海太郎 インタビュー(2)

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tsuno_utsumuku.jpg牛田: 先生自身がインタビューをする場合、絶対にする質問はありますか。
津野:それは人に応じてね。あまり一般的なことは聞かない。聞きはじめをどうするかなど気をつける。僕自身、インタビューもたくさんされているけど、自分から喋りたくなるような聞き出し方をしてくれないと、おっくうでね。つまり、どうやったら相手が乗ってくれるか。インタビュアーに対して関心をもってくれて、自発的に喋ってくれるようにするためには、やっぱり相手のやっていることに関心を向けないといけない。 例えば、「この間、津野先生の文章を読んだんですが、ここが面白かったんですが」と言ってみるところから始める。しかし、誰もが言うようなところを言うんじゃなく、ちょっとひねってみる。自分なりの言葉を少々加えてみる。「あの文章の、あそこの呼吸がよかった」などテーマからは少し外れてしまったところが、逆に重要だったりする。テーマというものはもう抱えていて十分わかっているから、相手をびっくりさせておいて、入っていくとかね。逆に、あんまり真面目な人には、正統的に切り出してみたり。入り方の工夫が、初心者にとっては大変だったりする。


牛田: 津野先生がよく一緒にお仕事をされる永江朗さんの『インタビュー術!』(講談社、2002年)には「私は必ずその人の主要収入は何処か、と聞く」と書いてありました。


津野:人によってスタイルがあるからね。でも、それをいきなり聞くわけじゃないでしょ。どこかで言うわけだよ。インタビュアーは、「だいたい50くらい質問を準備しておけ」なんていうけど、それだけ質問が出せるくらいに下調べをしておけ、という意味。僕の場合、行く電車のなかで、相手が食いついてきそうな質問を3つくらい考えておいて、話しの流れのなかで、ぽつぽつ出していく。下調べしたって、下手なピンポンみたいに単調な一問一答になったらだめ。あんまり準備しすぎるのも考えものだよね。やっぱり、生きた会話を成り立たせなくてはね。


牛田: なかなかインタビューのプロにインタビューについてのインタビューなんてできないので今日は嬉しくて、文化会議でもぜひ参考にさせて頂きたいと思います。津野先生が、黒テントと出版を経て、大学の先生になられたのはいつからなんですか。


津野:今年で6年目。


牛田: それまでは、10代後半から20代の若い人たちと付き合う機会というのはあったのですか。


津野:なかったです、まったく。だから、すごく嫌だった(笑)。だけど、いざ付き合ってみると、それぞれが面白い奴だったから。でも、皆お互いにコミュニケーションが沈滞している。授業内でチームを作り、それぞれ新聞を作ったりするんですが、まずチーム自体が組めない。自薦も他薦もない。信じられないね。お互いがお互いに対して、いつも防御的になりすぎてしまって。自己表現とかは好きだけれども、チームでなにかひとつのものを、共同で作っていったりすることに対する関心が、ほとんどない。映画やダンス、バンドや演劇をやる子はいるけど、それも学内ではやらないね。もう少し一般的に、わっと集まって、そこでテーマと方法を探して自分たちでなにかをやっていく、ということになったら、ほとんど手も足もでない。普段は仲がよさそうに見えていてもね。他人に対する無関心、怯えみたいなものを感じるよね。

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