デジタルメディア・プロデューサー 水口哲也 (1)

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水口哲也氏 プロフィール

1965年生。日本大学芸術学部文芸学科卒。ゲーム、携帯電話、テレビ、ラジオ、映画などエンターテーメントメディアのプロデュースを努める。代表作に「セガラリー」「スペースチャンネル5」「Rez」など。オンライン仮想現実社会「セカンドライフ」において“バーチャル東京”、デジタルミュージシャン「元気ロケッツ」をプロデュースするなど、ゲーム以外にもプロデュースの幅を広げている。2002年経済産業省「ブロードバンドコンテンツブレークスルー技術等開発支援事業」審査委員。

デジタルメディア・プロデューサー 水口哲也 (2)

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世界の水口哲也の原点


―「先生は現在、世界を飛び回っておられて英語がお上手ですけど、どのようにお勉強を?」

水口「僕は大学時代はまったく話せなくて、大学を卒業して仕事をするようになってからも、しばらく話せなかったです。でも自分のやりたいことに英語がどんどん付いてきたって感じですね。だから学生時代は大学の二年の終わりかな? 大学の二年に入ってすぐに、日本から出た事もない人間ですから。行くしかないと。お金もかかるけど、そんなことを言っていたら一生出ないと思って、二年の春から、今年の冬にニューヨークに行くと周りに言いまくったんですよね。俺は行くからと」

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―「自分で自分にプレッシャーを」

水口「自分の背中を蹴るように。で『行くから、行くから』と言っているうちに『行くよね、行くよね』と言われるようになって(笑)、で結局行ったんですね。友達の家に一ヶ月間、居候させてもらったんですけど。それがまた一つの原点というか、出発点になりましたね。本当にたくさんの刺激を受けて」

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デジタルメディア・プロデューサー 水口哲也 (3)

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「Rez」とカンディンスキーそして武邑光裕先生


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―「カンディンスキーとは何時出会ったんですか? いきなり出会うことは無いと思うんですけど。何か流れがあったんですか?」

水口「メディア美学を教えてらした武邑先生のゼミに入ったのが三年のとき。最初の二年間は本を読んだり、映画を作ったり、ニューヨークに行ったり、とにかく自分がいいと思うことをとにかくやってみた。自分が何かを表現するってことをやりたかったんだけど、知識や情報は自分の中では必要じゃないと思ったんですよ。つまり創作とは感性でやるものなので、知識や情報は邪魔ものな感じがしていたんですね」


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デジタルメディア・プロデューサー 水口哲也 (4)

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キャラクター作り

―「水口先生の作品の中で、印象的なのは女の子のキャラクターだと思うんですよ。ウララちゃん、エヌスリーのイニフィ、元気ロケットのルミも、みんな女の子じゃないですか。共通点じゃないですけど、未来の女の子っていうのがわりかし共通しているところだと思うんですよ。未来の女の子っていうのは水口さんが意識して作られているんですか?」
水口「結果的にそうなってますね。僕が男だから男のキャラクターを作りたくないっていうのがあるかもしれない。観客がだれなのかって考えたときに、女性とかカジュアルに一般の人達にアプローチしていくかっていう意識が僕の中で強いのかもしれない」

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―「アイドルみたいな感じで」

水口「ものによりますね。たまたま作ってきたものにそういうのが多いっていう。インフィなんかは別に男でもいい。未来の女の子っていうだと、ルミは三十年後の十七歳ですね。ウララは二十五世紀でしょう。」

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デジタルメディア・プロデューサー 水口哲也 (5)

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感動の連鎖


―「作品とか事象があって、それに感動することがまず必要と。そこから想像したり妄想することで何かを作りたいっていう意欲が出てきてその意欲を叶えるにはどうしたらいいかっていう勉強をして努力とか、練習とかしなきゃいけない」

水口「その繰り返しですよね。結局修行みたいなもので、感動をどう設計するかっていうことを色々やって、あー違ったなーとか、おーこれは予想外に凄かったなとか。そういうことを人よりも多く経験することがね、多分何かにつながるんだろうな、と思いますけどね」

―「結局そういう繰り返しになっていきますよね歴史が。誰かが感動して作ったものが人を感動させて」

水口「あとはやっぱりどうやってリレーしていくかっていうのが、凄く大事なことだと思ってますし、先輩がね、ここでいう先輩は学校の先輩ってことじゃなくてちょっと先の時代の生きた方々のリレーすべきいいもの、自分たちがやっていることでいいと思う物をどうやってリレーしていくかという。それは最近考えますね」
―「アニメが日本独自の文化って言いますけど最初は海外から入ってくるわけじゃないですか。それが日本という国を通して独自の発展を遂げるじゃないですか。それを海外に発信していくことで、何か大事なこととかあると思いますか。説明をしなければいけないじゃないですか、日本人は何故こういうものに感動するのか、とか」
水口「多分説明の必要があるものは駄目だと思う。それは結局いいものは説明なしにいい。受け入れられていく。それを一生懸命説明しなきゃいけないものは、刺さってないと僕は思いますけど」
―「やっぱり世界共通で感じられるものがいい」
水口「そういうことではないんだけれども、例えば自分が何か体験とかメッセージを世界の人々に感じてもらいたいっていうのが根底にあるわけじゃないですか。そのためのツールとかインターフェイスとして色々なものがあるわけですよね。例えばそれはキャラクターかもしれないし、ゲーム機かもしれないし、その層の厚さっていうのがあって、その層の厚さの印象っていうのがあって、その印象が世界に持っていったときにどう思われるかっていう話なんですよね。ゲームをやらない人にこのゲームは凄いんですよねって言っても、いや僕やらないんですよねって言われてそれで話は終わるわけですよ。そういう人達が僕はゲームやらないんだけれども、このキャラクターならどうしても動かしてみたいと思ってしまう、このコントローラーをどうしても触りたいという気にさせてしまう。そういう誘惑というか挑発というか、ある意味それが演出なんだけれどもそれを提示した時に、人間ってやっぱり色んな思いがあるから、あ、これは安心して手が出せるって場合とこれは私の中で経験がないから不安だと。だけど経験がないから湧く好奇心がある。でもあまりにも自分と違うなと思ったら手は出さないし、なんか分からないけど手を出したいと思うものもあるし。でそれは理由は色々なわけですよ。一つだけ言えるのはどんな人も手を出すからにはそこに理由がある。その理由ってのは本当に色々ですよ。欲求とか本能が蠢いているわけですよね。その中でどれだけ多くの人にそのプロジェクトを体験させられるかってこと。例えばこういうキャラクターをアメリカ人の前に出すと『ん?』っと思うわけじゃないですか。でもある面白いプロジェクトの中にポンと出てくればみんな受け入れてしまうわけです。要するに先入観との戦い。人間っていうのが誰しも持っている偏見、先入観、壁、これをいかに壊すかっていうのがアイディア、クリエイティブであり演出であると思うんですよね。その壁を壊すと繋がっていくわけじゃないですか人は。パレスチナの少年とイスラエルの少年がゲームをするという状況を思い浮かべてみると、ゲームをしている二人の表情は同じ。間に壁がある。カメラで撮っているとうわー勝った! まけた! と同じ表情を見せている。そこで壁を取ってご対面。あ、僕の母ちゃんを殺した国の人だ、と分かってしまう。そこにまた壁ができる。エンターテインメントの可能性としては、その壁をどう壊していくかっていうね。だから僕の中ではハイブリットになっていくということは、凄く目指すべき方向性ですね」

デジタルメディア・プロデューサー 水口哲也 (6)

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かっこいい男とは


「突然なんですが、かっこいい男とはどういう人だと思いますか」
水口「うーん……かっこいい男」
山名「僕らからすると水口先生は世界で活躍してらっしゃるし、自分の作りたいものを追求してらして凄く魅力的な男性に見えるんですねやっぱり。仕事はちゃんとやってるし、でも好きなこともちゃんとやってる。なかなかそういう生き方ってできないじゃないですか。生活のために作るっていう人はいても、好きなものを作って生活することができるっていうのは今の時代限られた人なのでは」
水口「もちろん僕は生活のために仕事をしているし、やりたくないこともたまには人生の中にあるし、昔に比べると減りましたけど。でもそこ関しては引っ張らないですね。かっこいいか格好悪いかは分からないけど、最近考えるようになったのはコップの中に半分の水が入ってますと。半分しか入ってないじゃないか、半分も入っているじゃないかっていうのは同じことなんだって。やっぱり半分も入ってるから大丈夫だよって言い続けてると大丈夫になるんだよね。だからどうやって意識を+にもっていくかだよね。単純にポジティブで元気なだけってわけでもないんだけれど、その心構えが自然にね。できるようになるには時間がかかると思うんですよ。調子が悪いときはそんなこと考えられないし。お腹が空いていてひもじいとか、体の調子が悪くて元気が無いって時はなかなかそこにいけない。でもそうあり続けなければいけないんだろうなって。
 かっこいい男でいうと、僕が思ってるかっこいい男はかっこわるい男なのかもしれないな。かっこわるくてもいいっていうかね。例えば余計なこと気にしないっていうかね。本質的なものを常に見る姿勢っていうか。時には反社会的に見えるかも知れない、変人に思われることもあるかも知れない。でも自分なりの解釈を持っていて、筋が通っているっていうのがかっこいいと思うな。やってることが悪くちゃしょうがないけどね。人間なんか死んじまえばいいんだ! っていうのは自分の中で筋が通っていても共感はされないし」
―「現在のご趣味はどんな感じですか」
水口「趣味はないです。音楽は聴くし映画も昔ほどじゃないけど観るし、旅も相変わらずするし。でも趣味だとは思ってないですね。趣味なんかに時間を使うのはもったいないっていう」
―「生活の中で自然にやっているってことですか」
水口「というか物を作って表現するっていうのが何よりも大きいことなので、キーを切り替える必要がないんですよね。好きな事やって生きてるなら、生きてる事自体楽しいわけで。趣きがあって味わうことは自分のクリエイティビティを刺激するならやりますけど、例えば突発的にどっか行くとかね。山や温泉入りに出かけたりはしますね」

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デジタルメディアと創造性

―「元気ロケッツを作った時にyoutubeをお使いになったじゃないですか。あの時は著作権のこととかお考えになったりしませんでした?」
水口「しないですよ。だって別にメジャーと契約しているわけじゃないし」
―「とりあえず世界に発信することが重要だったと」
水口「そう。ある人の助言でね。どうせインディーズっていうかマルチシーン?も全部報道しているんだから、youtubeに乗っけて、世界中からどんな反応が返ってくるのか見てみればいいじゃんっていう助言をもらった。でもいきなりyoutube じゃなくて、僕のアメリカ人の友達のジャーナリストが、これを俺のサイトで紹介させてくれって。で彼のサイトで紹介したら、ブログに人がブアーっと集まって、なんだこれなんだこれなんだこれってなって。でそのサイトがパンクしちゃったんですよ。でその前にそれをコピーをしてたヤツがそれをyoutubeに乗っけて、サーバーがダウンして見れなくなった人たちがyoutubeに流れた。でもそのクオリティがあまりにも悪かったので、じゃあここまで来たら自分たちでyoutubeに綺麗なクオリティで載せようってなった。それを見て来た人たちがいっぱいいた。ライブアースの人たちもそうだし」
―「ライブアースの映像もyoutube に載ってますからね。僕はある格闘家の映像を観ていたらたまたま元気ロケットの映像を発見して、それが水口先生のプロデュースだったっていう。映像を観ていると不思議な感覚もするし。アニメーションっぽいプロモーションでもあるし」
水口「一番最初に観た時のことを今でもハッキリ覚えているんだけど、アーハのテイク・オン・ミーってやつ。当時ピーターガブリエルのスレッジハンマーだとか、マドンナもある意味MTV から生まれてきたようなものだし、やっぱりあそこに出てきた新しい表現は今でもはっきり覚えてるんですよね。凄いなーって。音楽と映像が一緒になって3分間、4分間楽しめるっていう感覚が。だからいつか自分にそういうチャンスが来た場合はね、カンディンスキー、Rezの流れを音と映像が一体となった共鳴感覚的な映像にしたいなと思ってますし。例えばアーハのテイク・オン・ミー。あれは白黒じゃないですか。音楽に合わせてカンディンズキーの絵みたいにリコライズしてみようって時にどんな表現になるだろうっていう思いがあって、それをじゃあ一回やってみようと。Rezでそれをやって、さらにそれを押し進めたのがブリーズっていうもの、さらに押し進めたのがライブハウスのホログラム」
―「ホログラムにするっていうのはご自分の中で何かあったんですか」
水口「最初ちょうどライブハウスでステージをやってくださいって話になって、じゃあそのライブをどう実現させようかっていう時に、その話には高城さんも乗ってくれているんだけど。フランス人の友達が、僕の知り合いで面白いものをやっている奴がいると。で紹介してくれて。東京に住んでる人なんだけど。それが実はホログラムのシステムプログラマーだったんですよ。本当のホログラムっていうのは、カンソウシキみたいなものを作って小さいイメージがあると思うんだけど、今回ここで使ってるのはコーティングされた特殊なフィルムをステージの上に気付かれないように貼って、LEZのファクターを上向きに貼ると光だけを綺麗に反射させるものが出来るんですよね。そこにあたかも、3Dの物があるように見える。擬似ホログラムですよね」
―「世界で三台くらいしかないという話を聞きましたけど」
水口「いや、そんなことはないですよ。今でも実用例はそんなに多くないっていうだけの話で。比較的みんなが知ってる中で言うと、ゴリラーズっていうね、バンドなんですけど実在しない。それがMTVアワードでマドンナと共演したっていうのがあって、それが一つと、あとはバージンミュージックの会長が、発表会でホログラムのスピーチをやったりと。だからそんなに例としては多くなかったんだけど、まあやってみようよって。スッと決まりましたよ。大変でしたけどね」
―「その後ライズのプロデュースもされたみたいで結構大変だったみたいですね」
水口「そうですね。結局元気ロケッツのプロデュースだけじゃなくて、アル・ゴアさんをホログラムで出してその次のショーに繋げていくっていう話になって。ただアル・ゴアさんを撮りに行くとは思っていなかったですね。ライブアースの一ヶ月まえに、どうせホログラムを幕張メッセでやるなら、確実にこれはネットで中継されるわけじゃないですか。アル・ゴアさんは最終的に二十億人に見せるって言ってたけど、少なく見積もっても一億、二億の人は見たと思うんですよ。東京会場のオープニングの元気ロケッツって一体何者だっていう。それで終わるのではなくて、どうせだったら元気ロケッツがアル・ゴアさんを紹介して、アル・ゴアさんのホログラムがバーンと出てきて世界中になんじゃこりゃ〜っていうものをね。ビックリするってことはみんなアテンションするから、そこでアル・ゴアさんが重要なメッセージを言えば当然みんな耳を傾けてくれるわけじゃないですか。それをやりませんかっていう。簡単にそれが通ってしまった。でもうアル・ゴアさんが空いている時間がライブアースの一週間前しかなかったんですよ。ライブアースの一週間前にニューヨークに飛んで、むこうのNHKの方々にも協力してもらったのですけど、エージェンシースタジオをラインバックのスタジオに仕立てて、そこでゴアさんを十五分間撮影させてもらったんです。その撮影が終わったらすぐにファイナルカットっていうマックのソフトで飛行機の中で編集して東京に行ったらすぐにインフェルノっていう機械でCGと合成して、何とか間に合ったんです」

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デジタルメディアと創造性


―「You Tubeからの流れで聞きたいことがあるんですけど。ニコニコ動画ってご存じですか?」
水口「知ってます」
―「ああいうものを見ていると、こういう芸術学部とか専門学校に通ってない人でもどんどん自分の作品をネット上のメディアを使って発表しはじめると思うんです。アマチュアクリエーターがどんどん増えていくっていうことはどう考えていらっしゃいますか?」
水口「それはいいことじゃないんですか。昔から八ミリビデオとか映画の世界でもあるけで、バンドやろうぜみたいな連中もいるわけで、そういうのが何らかの登竜門になっていくっていうのは全然いいことだと思いますよ」
―「発表する場所ができたわけじゃないですか。いちいち場所をとってお客さんを呼ばなくてもいいっていう。多分これから人間の創造性が高くなっていくと思うんですよ。そういうことをメディアが助けていくとか、考えたことはありますか?システム上……YouTubeとかニコニコ動画とかmixiとかありますよね。ブログとかも発展してきたと思うんですけど」
水口「それは考えたことはありますね、やっぱり」
―「水口さんの場合は自分が何かやってみようと思った時にゲームっていうメディアを選んだわけじゃないですか。それでこれからみんな、作品を発表したいんだけど、どこに出せばいいんだろうとか考えると思うんですけど」
水口「順番としては何を作りたいか、何を発信したいか、どういう気持ちにみんなをさせたいのかとか、そういう大きいイメージがあってそれを実現するためには何を使えばいいのかっていう順番になると思うんですよ。僕も仕事でありましたけど、『これとこれで何か面白いもの作ってくれよ』っていうのが一番辛いんですよね。ただ制約の中から出てくるアイディアっていうのは時に凄いのが生まれる可能性があって、一概にそれが駄目だとは言えないんだけれども。一番やっぱりヘルシーというか健康的なのはこんなのいいよなー、でもどうやって表現したらいいんだろう、どういう風に広めたらいいんだ、あっこんなものがあるじゃないかっていうほうが基本的にはいいですよね」

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―「最後の質問なんですが、ゲームの次に来るものはなんだと思いますか」
水口「まだその言葉はないんですね。で来てるし来始めてるんだけど、形容する言葉がないだけだと思ってます。具体的に言うとインタラクティブなエンターテインメントであり、インタラクティブなエデュケーションもあるし、パッシブなメディアは二十世紀までなんで。放送、報道。二十一世紀はアクティブとパッシブが混在する。僕はゲームはこの四十年間が黎明期だったような気がするんですよね。ゲームから出てきたテクノロジーが向かう先が映画やテレビといった既存のメディアとの融合だという気がしてならないんですよね」
―「最近の音楽も色んなジャンルを組み合わせたものが出て来た気がします。これはラップ、パンクってわけじゃなくて」
水口「そういう時代は終わったかもしれないですね。ラップを聞いて楽しむ人がラップを始めるかもしれない。声やリズム感、詩を書く能力をサポートするものがあれば、その人は必ず始めますよね。」
―「初音ミクってご存知ですか?あれってそういう感じだと思いますけど」
水口「どうだろう……可能性はあると思いますね」
―「YouTube、ニコニコ動画、初音ミクといったものが出てきたことによって、こちらがアクティブになれる土壌が出て来たって感じですか」
水口「自己満足を越えて人に影響を与えるには違うレイヤーにはなると思うけど。マスメディアからそれが出て来るかどうかは僕には分からないけど」
―「ありがとうございました」


企画・プロデュース  山名達郎
テープ起こし    吉本龍太郎