第一回特集は「しりあがり寿」
『文化会議』ではさまざまなトピックを扱っていく予定ですが、基本的には特集を軸にしたメディア作りを考えています。
記念すべき第一回特集は、異色の漫画家である「しりあがり寿」です。
今回の特集は日本大学芸術学部文芸学科内に編集部をおく文芸誌「江古田文学」とコラボレーションという特別企画として展開することになりました。
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『文化会議』ではさまざまなトピックを扱っていく予定ですが、基本的には特集を軸にしたメディア作りを考えています。
記念すべき第一回特集は、異色の漫画家である「しりあがり寿」です。
今回の特集は日本大学芸術学部文芸学科内に編集部をおく文芸誌「江古田文学」とコラボレーションという特別企画として展開することになりました。
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今回の作品はとにかく人によって意見がものすごく分かれる作品である。くど官の映画は女子高生に人気が高く(長瀬や岡田が人気なだけかもしれないけれど)、劇場に観に行った帰りのエレベータの中は女子高生ばかりだった。聞き耳を立てみると(でっかい声で喋っているから聞き耳たてなくても聞こえてくるのだが)意見は面白いと、気持ち悪いと、意味が分かんないの三つにおおよそ分かれているようだった。
僕自身も実際観た直後の感想は「なんかすげぇことやっちゃたね」程度の感想しか浮かんでこなかった。
とにかく観た後の後味が悪いとまではいかないまでも、とてもびみょーなのだ。
しりあがり寿の名前を知ったのは、つい最近のことである。もっと言ってしまえば、ここで原稿を書くことになるまで、しりあがり寿の名前は知らなかった。そうして、最初に渡された漫画は、「ヒゲのOL藪内笹子」であった。
「藪内笹子」の名前はともかくとして、「ヒゲのOL」である。まず、この発想のインパクトがすごい。ヒゲのOLという発想を、そのままストレートに漫画の表題に付けてしまう所も面白い。しかし、逆に言えば、笹子はヒゲを生やしていなかったらただのOLになってしまう。もちろん、話の中では彼女がヒゲを生やしていなくてもまったく問題ないものもある。しかし、それでも笹子がずっとヒゲを生やしたままでいることは、彼女の強烈な個性の一つとして、外すことが出来ないものだからだろう。

通勤電車ほど、陰気な戦場はない。その戦いは日々繰り返されるゆえ、喧嘩特有の晴れやかさすら失ったダンジリ祭りだ。
私は前々から、電車の混雑ほど人々から嫌われているにもかかわらず、一向に問題視されることのない現象に、疑問を抱いていた。あの数メートル四方の空間で争われる席とりゲームに、真の意味での勝利者など存在しない。つかの間の勝者は明日の敗者であり、かろうじて吊り革につかまりダウンを逃れる10ラウンド目のボクサーに、明日自らがならないという保証はどこにもないのだ。
米を研いでいる手という場面から始まって気持ちが悪かった。ジャッジャッという音が不快感を出しているだけかと言うとそれだけでなく、米を研いでいる手だけしかカメラが映していないというのが一番の原因であると思う。
気持ちが悪くなるのは、他の部分が見えないからである。雷のSEとか白黒映像であるとかが使われようが使われまいが関係なくて、単純に米を研ぐ手だけを見ていると、その行動が信じられなくなる。同じ文字を繰り返し書いていると、その文字がその文字であるのか分からなくなる感覚の応用だろうか。とにかく米を研いでいるだけではなさそうだ、という疑いが我々観客に生まれる。
「おいら、リアルがとんとわからねぇ」

真夜中の弥次さん喜多さんの冒頭で、喜多さんが発した言葉である。二人はそれをきっかけにして、お伊勢さんへ旅立つことになる。お伊勢さんへ行けば、薬の苦しみも、働くことの苦しみからも解放されると信じて。
一番驚いたのは豪華なキャスティングだ。主人公の二人はとりあえず置いておいて、竹内力やおぎやはぎを始めとした、役者・芸人・漫画家・声優に至るまで、演出家の宮藤氏と関わったことがあるありとあらゆる人物が総出演していたこと。そして、その出演時間の短さにはあっぱれである。映画で主役を張るような人物でさえ、約4分弱しか顔を出さない。贅沢と言うか何と言うか。センスもあり、演技力や演出力のある一流アーティスト達が皆で力を合せて本気で遊んだ。そんな印象の強く残る作品だった。大スクリーンで見る方が正解だと思った。

十月十四日、日本大学芸術研究会(於:日本大学芸術学部)において
中島安貴輝氏(デザイン学科教授)による講演「デザインから見た文字組」が行われた。デザイン学科の中島教室ではしりあがり寿作品を用いてタイポグラフィー、エディトリアルデザインを行う試みがなされており、それらの発表も行われた。ゲストで登場したしりあがり寿氏のコメントに「イメージのリレー」という言葉があった。イメージがさらなるイメージを呼び、あらたなる作品が生まれていく。しりあがり作品の映画化しかり、エディトリアルデザイン化しかり。

「江古田文学」60号【しりあがり寿特集】発売中。
豪華執筆陣によるしりあがり論、しりあがり寿本人による書き下ろしイラストなどなど目玉満載!
文化会議の面々の原稿も掲載されています。
お問い合わせ・・・江古田文学会 03-5995-8255

「心配事のないところかなあ。」